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「南洋のソングライン
―幻の屋久島古謡を追って

大石始

かつて屋久島で歌われていた「まつばんだ」は、琉球音階が取り入れられた民謡です。ただ、屋久島は沖縄や奄美からはるか北方にあり、琉球文化圏ではありません。なぜ屋久島に琉球の名残があるのか、ごくわずかな例を除いて本格的な調査が行われてきませんでした。それならば、と我々が3年がかりでフィールドワークを敢行。そこから見えてきたのは、沖縄~鹿児島~南西諸島に暮らす海洋民たちの生活史でした。同時に、この民謡を復活させようとする島民たちの活動も追っています。本書は、そんな旅や歴史民俗の要素を含んだノンフィクション書籍になります。

推薦コメント

消えゆくものは 消えてゆく
その理由は 誰ひとりとして
それを思い出さなかったから…
たったひとりでもいい
「それを決して忘れたくない」
と切望する人がいれば
“それ”は未来へと運ばれてゆくのだ
―宮沢和史(シンガーソングライター)

降りすぎる雨の中 険しすぎる山道を
幻の古謡の放つ香りに手まねきされて
奥へ奥へと
自然の強さにかき消されそうになりながら
それでも確かに聴こえてくる
おばあからおばあへ受け継がれた
歌の鎖を辿って山頂へ
その道は海を渡り どこまで続いているのだろう
―コムアイ(アーティスト)

ページをめくるたびに 次々と歌の新たな航跡が現れ
最後には見たことのない
新しい地図が自分の頭に浮かびあがってくる
島を旅するための手がかりに満ち満ちた
気持ちの良い本でした
―石川直樹(写真家)

著者:大石始

1975年、東京都出身。世界の音楽・地域文化を追いかける文筆家。旅と祭りの編集プロダクション「B.O.N」主宰。著書・編著書に『盆踊りの戦後史』『奥東京人に会いに行く』『ニッポンのマツリズム』『ニッポン大音頭時代』『大韓ロック探訪記』など。

発行者:国本真治
発行所:キルティブックス/キルティ株式会社
歴史民俗考証:長井三郎(屋久島「民宿晴耕雨読」オーナー)/荒木真歩(神戸大学大学院国際文化学研究科 )
取材コーディネート:緒方麗
装丁・デザイン:宮澤大起
表紙装画・挿絵:nakaban
地図製作:尾黒ケンジ
校正:坂本由佳
印刷製本:藤原印刷株式会社

インフォメーション

発行:2022年11月20日
価格:2,640円(本体2,400円+消費税)
初版:3,000部
判型:四六判(約・縦19cm×横13cm×厚2cm)
頁数:本文296P+折込地図4P
製本:仮フランス装
ISBN:978-4-9910792-7-6
※初版のみ表紙特殊加工。電子書籍同時発売。

「屋久島 知の巨人たち」

企画監修:公益財団法人屋久島環境文化財団

1991年、日本の自然保護における当時の第一人者たちが集まって屋久島環境文化懇談会が開かれました。この会がきっかけとなり、屋久島は1993年に日本初の世界自然遺産として登録されます。そこに参加した10人と有識者4人、合計14人の“知の巨人たち”の言葉をまとめました(14人中11人は故人)。屋久島の自然、里や人々の写真集、および貴重な資料集データもついた永久保存版!

特別寄稿

梅原猛
国際日本文化研究センター所長
福井謙一
(財)基礎科学研究所所長
兼高かおる
旅行ジャーナリスト
大井道夫
(財)国立公園協会理事長
下河辺淳
東京海上研究所理事長
C.W.ニコル
作家
沼田眞
(公財)日本自然保護協会会長
井形昭弘
鹿児島大学学長
上山春平
京都市立芸術大学学長
土屋佳照
鹿児島県知事
養老孟司
解剖学者
山極壽一
総合地球環境学研究所所長
白幡洋三郎
国際日本文化研究センター名誉教授
中村利雄
(公財)屋久島環境文化財団特別顧問

※各人の肩書きは、1991年屋久島環境文化懇談会設立当時のもの

インフォメーション

発行日:2022年6月30日
編集発行人:国本真治
編集:奥原麻衣
アートディレクション・デザイン:佐々木啓光(Vivid.Design)
企画監修:公益財団法人屋久島環境文化財団
「屋久島 知の巨人たち」製作委員会
中村浩二(MBC南日本放送相談役)
蔵元進(一般財団法人地球環境文化研究所専務理事)
岩田治郎(公益財団法人屋久島環境文化財団評議員)
深港恭子(鹿児島県歴史・美術センター黎明館主任学芸専門員)
高良尚男(公益財団法人屋久島環境文化財団事務局長)
小野寺浩(公益財団法人屋久島環境文化財団理事長)
サイズ : A4変形(287mm×210mm)
100ページ、並製本、無線綴じ
ISBN 978-4-9910792-5-2
定価 1,400円(税別)

中村力也1st写真集
「NOTHING NEW」

本作は、中村が妻と共に2016~17年に世界1周旅行をした際に世界各地で撮影された写真で構成。ページをめくるごとに自由な切り口で捉えられた世界の自然や人々が対となってあらわれ、時にはページを飛び越え、自由な発想で編まれた意欲作です。また、同時発売となる弊社刊の雑誌「サウンターマガジン」第2号には、本作と連動する形で、中村が旅行時の妻にフォーカスした作品が収められています。

中村力也プロフィール
1980年生まれ。 鹿児島県出身、西南学院大学卒業。 高柳悟氏に師事。 2016年、夫婦で1年間世界一周の旅に。2017年独立。2018年、雑誌「コマーシャルフォト 」6月号表紙、第67回朝日広告賞・一般公募の部審査員賞。 2019年、ADC賞佳作。広告、雑誌を中心に活躍中。
rikiyanakamura.com

インフォメーション

発行日:2020年4月1日
写真 : 中村力也
ブックデザイン : 太田江理子
言葉 : 錦多希子
英訳 : マイルスエビス
印刷 : 山田写真製版所
発行人 : 国本真治
サイズ : 縦240mm×横260mm
108ページ、カラー 86点、糸かがり上製本(ハードカバー)、箔押し加工
ISBN 978-4-9910792-1-4
限定500部
定価 3,000円(税別)